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「変わった様子?」
「たとえば、結愛を睨んだり、悲しい目でみたりとか?」
睨んだり、悲しい目で見たり、ですか。
私はう~んと、言いながら考えます。
あっ!
「香織さん、私のワンピースを見て少しの間、何か思い出してるような表情をしていました」
「他には?」
「あと、その後に、ウンって頷いてから、私を褒めてくれました」
「そうか・・・・」
昂揮さん、少し考え込みます。
何があったんでしょうか?
しばらくの間、そのままです。
私は、おかみさんが出してくれたゴボウ蕎麦と山かけごはんを食べています。
「なあ、結愛」
「はい」
「香織、その後笑ってたか?」
「はい。昂揮さんに美味しいもの、ごちそうしてもらえって言われました」
それを昂揮さんが聞くと、思わず、プッと吹き出しました。
そして、少し笑った後。
「そうか、笑ってたか。なら、香織、昔の事、ふっきったみたいだな」
「昔の事?」
「ああ、何でもないよ。また、機会があったら教える」
「は、はい・・・・」
私は言われるがまま、返事をします。
何かあったんでしょうか?
まあ、詮索はいけませんので、あまり考えないようにしますね。
それはともかく、ここのお蕎麦、すご~く美味しいですッ!
昂揮さんも、一緒に私達二人は仲良く、おかみさんの出されたお蕎麦を楽しく食べています。
身体も、だいぶんマシになってきました。
はぁ~。
今日のデートは延期になりましたけど、今度は、昂揮さんが誘ってくれました。
今日は、この時間を大切にしたいです。
と、その時でした。
『臨時ニュースです』
お店のテレビが、番組を中断して、ニュース番組に切り替わりました。
『たった今、入りました情報です。横須賀市の横須賀駅近くで、バスがバスジャックされたとの情報です・・・』
ニュース番組は淡々と、情報を放送します。
私はそのニュースに耳を傾けます。
あ!
バスをバスジャックって言ってますが、正しくは、バスをハイジャックって言うんですよ。
バスジャックは、和製英語なんですね。
と、話を戻します。
私は番組の映像を見ます。
瞬間、背筋が凍りつきました。
そのバスは。
香織さんが乗ったバスだったんです。
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