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バスがバスジャックして止まっていた現場に俺は息を切らしながら、やっとついた。
二人ほどぎせいになったらしく、道路には、血糊の後がのこっていた。
くそっ!
結愛、どこに行っちまったんだよ!
いきなり、蕎麦屋から出ていったと思ったら、すごい勢いで走っていって、追い付けなかった。
あんな速く走る結愛、見たことない。
あれ、絶対にインターハイレベルの走り方だろ?
スカート履いて、あの速さは何だ?
信じられなかった。
自慢じゃないけど、俺、八重桜高校じゃ、100メートル走は男子生徒のなかでは、上から10位以内にはいってるほどなんだぜ?
その俺をおいてけぼりにするとは。
結愛、生理痛だろ?
体調悪いんだろ?
なんか、結愛がバケモノみたいに思えた。
まあそれはともかくにして。
結愛はどこだ?
辺りを見回す。
結愛らしき人影はなし。
少し歩きながら、結愛らしき女の子を探す。
しかし、見当たらない。
仕方ない。
結愛のスマートホンに電話を入れる。
残念ながら、スマートホンの電源がオフになってるらしく、つながらない。
くそっ!
どこだっ!
どこいったんだよ!
しばらくして探してるうちに、バスジャックされたバスが止まっていた。
俺は、事件が解決したのかと、安堵する。
その時。
「なんか、女の子が天井から飛び込んできて、テロリストたちを全員のしたらしいな」
「ああ、なんか、猿みたいに、バスの中で暴れまわったって聞いたぞ」
「ふ~ん。俺は、器械体操の選手みたいに華麗に飛び回っていたって聞いた」
「顔隠してたから、どんな子かわからなかったって、言ってたな乗客」
この会話を聞いた時。
まさか、結愛じゃないよな?
馬鹿馬鹿しい。
結愛がそんな真似できるわけないだろ。
その会話に気にせず、結愛を探す。
くそぅ!
いない!
どこいるんだっ!
俺は、結愛の体調が気になって仕方がなく、辺りを探す。
よし!
もう一度、スマートホンに電話をかける。
かけた瞬間、スマートホンがつながった。
呼び出し音。
よしっ!出てくれ結愛!
その願いが通じたのか。
8回目にして通話状態に。
「結愛!結愛!結愛か、今、どこにいるんだ!身体、大丈夫か?」
「・・・・・」
「結愛!返事してくれ!結愛!」
「・・・・・・もしもし」
声を聞いて、俺は呆然となる。
どうして、この声が・・・・・!
「昂揮、私、香織・・・・これ、結愛のスマホだよね?」
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