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言ってはいけない事を言う子供の様にリリーの声は震えている。
「何ですか麒麟って?」
「霊獣の一つとして数えられる神聖な存在だ。殺生を嫌い、足元の虫や植物を踏むことさえ躊躇うとも言われてる。……どうやって連れて来た」
疑う様な鋭い瞳で店長はシャルロッテ達を睨み付ける。
「ほ、本当に友達です」
「シャルロッテ、後は私が話す」
怯えた様な顔をしているシャルロッテにリリーはそう言うと、フードを脱いで話し始める。
「彼と初めて会ったのは私が五つの頃でした……」
その日、花を摘んで来ようと彼女は一人、森の奥へ向かったのだという。
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