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間違いかもしれないと景壱が再び麒麟に触れる。
だが、やはり煮詰めた様な強い恨みや憎しみが伝わって来る。
しかし、本の一瞬今まで感じた事のない柔らかな感情が景壱を包む。
「もしかして……、何かに心を操られてるのかもしれない」
ぼそりと景壱は呟く。
それしか考えられなかった。
そうでなければ、こんなにも激しい憎悪と、全てを包み込むような優しさが一つの心に存在する訳はないと思ったからだ。
「操られてる?」
「あくまでも可能性が有るだけですけど……」
「じゃあ、その可能性確かめに行くぞ」
そう言うなり店長は景壱の手を取り部屋を後にする。
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