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「はあ、災難男の存在を確かめる為、わざわざ海外から?」
店に怪しい外国人が来たのは蒸し暑い七月に入ったばかりの頃であった。
「はい! 災難男は不可能を可能にする聞きました。本当に居るなら会いたいです」
敷かれた座布団に正座をしながら外国人の女の子は身を乗り出さんばかりの勢いで話す。
「いや、会わすのは良いけどよ。お宅ら何者だ?」
怪しむ様に店長はじろじろと二人を眺めている。
「私シャルロッテ・クレース言います。こっちは聖女リリー。リリー・メイシー言います」
リリーは白いフードを被ったまま頭を下げる。
「聖女?」
明らかに胡散臭そうだな、といった様な顔を店長は浮かべる。
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