山に散る花火

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だが、それっきり徳善の手掛かりを見付けられず体力と時間だけを無駄に消耗するのだった。 「何処に居るんですか徳善さん……」 沈む夕焼けを恨めしそうに見つめながら景壱は呟く。 「こんな時に送り狼さんが居ればな……」 何気無く言ったつもりだったが、その名を口にした瞬間背後に獣の息づかいが聞こえる。 「呼びましたか景壱さん!」 何時もの柔らかい笑みを浮かべる彼を見て景壱は安堵の為か足の力が抜け座り込んでしまう。 「大丈夫ですか?」 「うん、大丈夫。それより、俺の体から匂う薬と妖の匂いを辿って欲しいんだけど良いかな?」 「もちろんですよ」 送り狼は景壱を背に乗せ、思い切り地面を蹴り駆け出す。
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