山に散る花火

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「何時まで泣いてんだ。あんたの為に傷付いてる奴がいるんだ! あんたも諦めんなよ!!」 そう言って秋穂は徳善の腕を掴んだまま思い切り息を吐き出し口を閉じる。 彼女の力で山姫には気付かれて居ないのか二人は気付かれぬまま山姫の背後に近付く。 「っはあ!! これぐらい近付けば確実に心は読めるでしょ! もう一度心を読んで!!」 秋穂の叫びに応じる様に徳善は瞳を閉じる。 「何度やっても駄目だ彼女に心なんて無いんだ!」 「ぐぅ……! そんな筈は、ありま……。ぐぁあああ!!」 山姫は徳善を見向きもせず、景壱の腕を千切らんばかりに力を込める。 「彼を離してくれ! 私はどうなっても良いから……」
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