山に散る花火

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「私と同じ気持ちだったんだな……。それなのに私は、その気持ちに気付けなかったのか。私も君が好きだ。この思いを伝えたら何かが壊れてしまう気がして言えなかったが敢えて言おう。喉が枯れても、この思いが伝わるまで何度でも!!」 心を読む力しかない自分が、ここで何を話しても伝わる訳がないと分かっていたが徳善は何度も、彼女への思いを口にする。 「徳善?……。もしかして、そこに居るの?」 「え、分かるのか? 居る、ここに居る!」 心を読んでる相手が、こちらに気付いて話し掛けてくるとは、普通ならばあり得ない事であった。 「徳、善さん。俺も手伝います。その気持ちをぶつければ元に戻るかも、し、しれません」
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