山に散る花火

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景壱に触れられた感触を感じながら徳善は今叫べば彼女に必ず思いが伝わる気がした。 「私は君を愛している!! ずっと私の側に居て欲しい!!」 徳善の声に反応する様に山姫は大粒の涙を流す。 「やっと見つけた。そこに居たんだ。こんなにも近くに居たんだ。徳善……。私も貴方が好き。好きだよ」 「終わったの?」 急に動かなくなった山姫を警戒しながら秋穂は、その顔を覗く。 「終わった筈です。俺の力で徳善さんの思いを伝えて本能に隠されていた山姫の心を引っ張り出しましたから」 そう言って景壱は疲労で倒れてしまいそうな体を支えるように木に持たれかかる。
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