山に散る花火

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「何か分からないけど君って結構凄いんだね」 「俺なんて大した事ありませんよ。山姫の中に徳善さんを思う気持ちが有ったから、徳善さんの中に、その気持ちを受け入れたから上手くいったんですよ」 はは、と景壱は笑う。 その間に我に返った徳善が山姫に駆け寄る。 そして脈を計ったり呼吸を確認する様な動作をし、安堵の表情を浮かべる。 「う、ううん……。ここは?」 山姫がゆっくりと目蓋を開け、辺りを確認する。 「良かった。元に戻ったんですね」 「元に戻った……。そうだ! 私、取り返しのつかない事をしたんだ……。どうしよう沢山の人をこの手で……」
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