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「……ありがとう」
初めてリリーが口を開き景壱の手を握る。
その時、顔のフードが地面に落ちる。
滑らかな光沢のある金色の髪、透き通るような真っ白で十代の若さ特有の張りの有る肌、……そして赤と青の左右色の違う瞳。
美しい顔立ちなのだが景壱には、その赤い左目が、ひどく恐ろしい物に感じた。
「その目どうしたんですか?」
慌ててリリーはフードで顔を隠す。
「こ、これは生まれつきです。それより着いて来て下さい」
ごまかす様にシャルロッテ景壱の手を引いて何処かに連れて行こうとする。
景壱は何か触れてはいけない物に触れてしまったような気がした。
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