第1章

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口座を確認して、喜び勇んで帰っていく陽だが、前から歩いてくる男の人に目がいった。 陽は、身体から、冷汗が出て、心臓の音がバクバクと早くなってくるのを感じた。 昨日と同じ現象だと陽は思いながら、心の中で、これを我慢すれば、100万円だと思いながら、前の男を見た。 前からくる男は、まるで鬼のような顔をしていた。 青い顔に牙が出ており、頭からは、角が生えていた。 陽は心底、怖いと思ったが、それに耐えようと、がんばった。 今日の鬼は昨日の女性と違って、確かに陽の事を認識しているようだった。 陽の横を通り過ぎる時、陽の顔を見ていた。 鬼のような眼が陽を睨む。 陽は睨まれて動けなくなってしまった。 それは、まるで立ったまま気絶しているかのように意識が飛んでしまったと言った方が正しいだろう。 今までこれほどの恐怖を味わった事がない陽は。 この仕事を辞めたいと思った。 次の日またメールが届いた。 陽は、そのメールに返信をした。 この仕事を辞めたいと。
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