第1章

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だがメールの返事は帰って来ない。 これはどういうことなのか陽には分からなかった。 このメールは一方通行なのか、だとしたら、私はこれからもこの恐怖を味わわなければならないのか。 陽はこの時初めてメールを開いたことを後悔していた。 昨日の事を覚えている体から、冷汗が出てくるのが分かった。 だが最初のメールで1ヶ月と言う事を書いていたと思いだした。 メールの返事はないが、1ヶ月の辛抱だと思った。 そして、また次の日、陽はバスを早く降りて歩いて帰っていた。 すると前方から、男の人がすごい形相をして歩いてくる。 その人は前を向いていて陽の事は見ていない。 陽は少し安心していられた。 しかし、次の瞬間には陽の歩く足が止まった。 なぜなら、男の人の口から、白い煙のようなものが吐きだされているからだった。 今の季節は、新緑の緑が美しく寒くはない。 口から白い煙が出るなど絶対にありえないからだ。 陽は目をこすったが、やはり煙は見えている。
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