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はい、こんにちは。桂木春と申します。悪魔になって二週間が経ちました。五月の上旬で、そろそろ陸上競技会というイベントが控えています。そんなことより・・・・・・今結構ピンチです。何故かと言うと・・・・・・。
「悪魔は死ね。俺達人間のために」
喉元にでかい剣を突きつけられてる。なんでこうなったんだ?
遡ること一時間前、時計は八時を回っていた。
「・・・・・・寝坊だぁ!」
白は? 朝ごはん食べたのか? やばい。やばい! 今日は早く行って魔法の使い方を教えてもらおうと思ってたのに。
テーブルの上にパンとジャムが置いてある。よし、白は食べたんだな。って遅刻する!
ああ、こういう時に限って靴下が揃ってねぇ。やべぇ、携帯部屋に忘れた!
八時・・・・・・二十分だと。もう駄目だ。いや、今の俺は悪魔じゃないか。全力で走れば間に合う。
家を出て思いっきり走る。やっぱり体が軽い。これなら間に合いそ・・・・・・にないな。だって・・・・・・全ての信号が赤なんだ。この時間ロスはキツい。
よし、青になった。今の俺のスピードなら信号五つ分くらいなら走り抜けられる!
交差点で誰かとぶつかった。またか! 前もこんなことあったよな? あの時は可愛い女の子どったけど・・・・・・。
「痛てぇな。どこ見て歩いてんだよ」
今度は男だ。なんていうかワイルド? っていう感じの男だ。怖い。凄く怖い。できれば関わりたくないタイプに出会うとか・・・・・・。
「ごめん。ちょっと急いでて」
「ん? ああ。ぶつかったのお前かよ。この時間がない時に男かよ。気にすんな。時間ないんだろ、さっさと行け」
「えっ? ああ。じゃあごめんな」
助かったのか? って急がなきゃ、あと五分しかない!
また信号に捕まったよ。あと三分。もう間に合わないか。それと・・・・・・なんで隣にあいつがいるんだ? 俺の全力疾走についてきてるってほんとに人間かよ。
「お前、早いな。ほんとに人間か?」
しかも話しかけられた。答えた方がいいの? いや、でもあれだろ。慰謝料請求するタイプの人でしょ、この人。
「そ、そっちこそ。俺は・・・・・・」
「悪魔か?」
なっ! こいつ、なんでわかったんだ? ていうかこの出会い方をする奴は全員異常者なのか?
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