写し。

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「薬草の知識を持ち合わせいらっしゃいましたか…?」 「や、全然」 外傷に対して使用できる薬草ならば多少の知識はある。が、高山が見たところ『小さい芝山』が作ろうとしているのは内服薬だ。『小さい芝山』は、芝山以上の知識を持ち合わせているということか。 『自分の身や、自分で守らんとあかんやろ』 それに加え、『小さい芝山』は妙な自立心を携えて生きているらしい。 「うわぁ…何ですのん、このやり場ない感じ」 日々を大雑把に暮らしている自身の、妙に細やかな部分を見せつけられている現状。 紛れもなく羞恥心なのだが、直前に見せられた忠興の取り乱し様のお陰で見合う言葉が見つからない芝山だった。
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