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「となるともう一人は牧村分か」
「別にいなくても良いんですけど」
この騒ぎの中でもしっかり自分用に寄せていた饅頭を食べている牧村。いつものように『我関せず』を貫こうとする彼だったが、『小さい方』が存在している以上そうはいかない。
「『小さい方の牧村君』なら、ここにいますよ」
古田と睨み合い、険悪になりかけている彼の背後で瀬田が躊躇いがちに手を掲げる。
声の方向に注目が集まる。と同時に、瀬田が俯いた。
「……」
視線の先に、『小さい牧村』はいた。
まんざらでもない表情を浮かべ、瀬田の膝の上でころころと転がっている橙…それは紛れもなく『小さい牧村』である。
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