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『おやおや、これもまた立派な…』
『でないと先の説明に支障をきたす。』
『あ、でもこっちの水饅頭も捨てがたい…』
『半分こにしましょうか』
『信じがたい事象かとは思うが、柔軟な思考を以って理解してもらわねばならん』
『わーい!氏郷さん、優しーい』
『まず我等についてだが』
「すまん、少しばかり待て」
真剣な表情を向ける『小さい古田』の背後で繰り広げられている光景に、我慢できず静止を求めたのはやはり古田だった。
二人掛かりで四等分した饅頭の傍ら、『小さな氏郷』は手に持った欠片を『小さな忠興』の口元に持っていく。大きな口でそれを向かえた『小さな忠興』は、大袈裟な素振りで両の頬を押さえて喜んだ。
『おいしー!』
『まだありますからね』
「……」
「……芝山、弾け」
「やー…流石に、ちょっと…」
やりきれない空気が漂う中、咳払いをした『小さい古田』が何事もなかったかのように話を続けた。
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