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昔馴染みの、己の幼少期をよく知っている氏郷にこんなにも甘えている姿が「自分の心を映している」と言われれば衝撃は大きく深い。ぎこちなく隣に座るもう一方の姿を振り返ると、こちらは相変わらず笑っている。
「…何で君、取り乱さんの?」
「まぁ、甘やかしたいのも確かですから」
「あ、そ」
その言葉通りしょっちゅう忠興と共に茶会を抜け出す彼の事だ、間違いなく本心なのだろう。それは同時に『小さい古田』の話を肯定する返答でもあった。
いっそ潔い氏郷の返答に、忠興は余計に追い詰められるのだった。
しかし…『小さい古田』の言い分を是と認めるとすると、其々が次に気に掛けるのは『小さい己』の存在である。
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