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写し。
『小さい古田』は一番手前で、年長者の務めと言わんばかりに七哲と対峙している。
忠興はその手に掴み上げた『小さい忠興』と何やら小競り合いを始め、氏郷が『小さい氏郷』と共にその行く末を見守っているようだ。
その不毛な戦いを、少し離れた場所で『小さな瀬田』と『小さな高山』が観戦している。
以上。
…約二名分、足りない。
「芝山君がいませんね」
瀬田の言葉通り、一方は『小さい芝山』だ。普段ならば弟弟子の面倒を見ている彼の『写し』が不在とはどうなっているのか。
周囲を見渡す彼等の耳に届いたのは、微かな…それでいて確かな足音だ。
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