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神様の幸せ
俺達三年最後のIH後、何故だか純太の様子が、いつもと違うと感じた。
原因を探っていた時、純太と鏑木のやり取りを見てしまい、つい口を出してしまった。
「純太…今のは…」
「ん?どうした青八木?」
「純太らしくない。」
「俺らしいってな~、俺にも青八木の知らない面があるみたいだし…、青八木が俺の知らない面があっても不思議じゃないだろ~」
「…全てとは言わないけど、俺の知る純太はあんな風に人を傷付けない。」
「傷付いてたか?」
「純太なら、傷付けず注意だって出来る。でも、純太は傷付けた。わざと…」
「部活中に紙を探すと言い出し、練習に集中してなかったから、そんなんじゃ、次のIHメンバーには入れないと言っただけだぞ」
「紙に頼ってるようじゃ、いつまでも二流と言ってた。そんな事言うの、らしくない…」
《しかも、純太は紙を破り捨てた。》
ハァー
深い溜め息を、純太は吐いた。
「悪い…鏑木に謝るから…」
純太が辛そうな顔をして、横をすり抜けて行く。
俺は、咄嗟に腕を掴んでいた。
「青八木…!?」
「純太…悩んでるなら話して!」
「えっ!」
「……」
「…………」
「あ゛ぁ〰!!格好悪い、俺は!」
「!」
「お前って、変なとこ鋭いよな。」
「鋭くない。純太を、いつも見てるから、気付けただけ。」
それを言うと、純太は真っ赤になった。
《可愛い…こんな純太、初めてかも。》
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