神様の幸せ

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「青八木が、俺の知らないとこで鏑木と仲良くしてて、しかも二人だけの秘密みたいなのも持っててさ~いつも、鏑木に紙を書いて渡すだろ~鏑木は嬉しそうに受け取って…。しかも、鏑木が青八木って呼び捨てして…俺の特権盗られた感じで、ムカついて、……嫉妬したんだょ…」 最後の言葉なんか、ほぼ消えていて、普通なら聞こえていない所だが、青八木は聞き逃さなかった。むしろ耳にエンドレスで響いていた。 《嫉妬…純太が?誰に?嫉妬…嫉妬…しっと…》 「なに、笑ってんだよ」 ちょっと拗ねた純太が、そこにいて…抱き締めていた。 純太は言葉を発せず、固まっていて、そんな余裕の無い純太も珍しくて、何だか可愛い。 《鏑木のお陰で色々な、純太を知れたな。》 「純太、一緒に鏑木のとこ行こう。」 「一緒に?…分かった。」 段竹に励まされてる、鏑木を教室から拐い、三人顔をあわす。 鏑木が、恐々と手嶋に話しかける。 「どっ…ど、どうしたた…んですか?」 ガチガチの鏑木の言葉に、純太は、 「さっきは俺が悪かった。ごめんな、鏑木。」 頭を下げて、謝罪する純太に、慌てて鏑木は、 「いえ!言われても当然です。でも、俺はまだ伸びます!きっと来年、俺が総北を優勝させます!」 純太は頭を上げて、 「頼もしいな。お前なら、やれるよ。」 感激して、スッカリ元気を取り戻した鏑木が去ろうとした時、青八木が呼び止めた。 「鏑木、有難う。」 「は?」 ポカンとした鏑木を置き去りに、青八木は手嶋の手をしっかり握り、去って行った。 「純太だけだから。嫉妬は、正直嬉しかった。ごめん」 純太は答えなかったが、笑った気配を感じた。 鏑木は教室に戻ると、段竹に、 「手嶋さんに謝られた。」 と言い。段竹は、 「良かったな。」 と答えたが、次に鏑木が 「青八木に、有難うって言われた。意味が分からない…」 と言う言葉に、驚き。 「そうか、少し恩を返せたのか。」 と返した言葉は、鏑木をますます混乱させ、鏑木は、 「分からない〰!青八木も、段竹も何言ってんのか、分からん!も〰神様に聞きたい。紙で、教えてくれないかな〰」 と言う発言に、鏑木のお馬鹿さが尊い宝のように感じる、段竹だった。 fin
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