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「すべて、順調にことが運んでいるということですね……?」
「……どういうこと?」
「どうもこうも、グランドシャルムの将来のためです。藤堂様は立派な総支配人となり、お嬢様の旦那様となるでしょう」
淡々と語る水野には隙がなかった。一寸のぶれも感じさせない水野の口調に美貴は思わず怯んで押し黙ってしまう。
「政明様もこのことには喜んでおられます。結納の日取りも段取りもすでに取り決めてありますので」
「えっ!?」
まさかそこまで話が進んでいるとは思わなかった。美貴はなし崩しに成り行きに飲み込まれていくようで怖くなった。
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