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恋しさ
振り向いた
時の原 遠くなる
幻を見た
苦しみも忘れて沈んだ
甘い記憶の罠
懐かしい姿
私に何を告げようとしてるの
深い混沌の淵 隔たれて
冷たさが横たわる
恋しさの
引き裂かれる傷跡が
鈍く痛んで
よみがえる
別れの詩を貴方は
甘く歌うの
越えて行く時間の果て
置いて行かないで
沈黙で満たした
愛の静寂に
最後の夜がある
消えない声がある
残された孤独の闇
恋しさに灼かれ
私は泣いていた
立ち止まる
平原に揺れている
名残の旋律
貴方がくれた
安らぎだけでいいのに
切なさがつのる
吹き抜ける激しい風
苦く脆い砂
潰えると知っても
まだ振り返る
閉じ込めた記憶の
中に隠れてた
歓びと愛しさ
貴方が教えてくれた
欠け落ちた心の奥
眠りの宝石
再びの別れに
まだ振り返る
崩れてく夜がある
消えない声がある
滅び去る夢が残す
恋しさの余韻
私は泣いていた
懐かしい声の残響
恋しさの記憶から覚めよう
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