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暑かった。未だ残暑さめやらぬといった感じだった。
夏季休暇は八月に直撃した台風みたいにあっという間に過ぎ去っていき、今日は二学期の初日。私は日焼けしたみんなの肌を眺め見ながら、教壇に向かっている。
松田先生は、変わり映えのしないクラスメイトの顔と出席簿を丁寧に見比べると、すぐさま授業へと移行していった。最初の授業ということもあり、私を含めみんなが脱線を大いに期待したが、新卒二年目の爽やか熱血漢には通用しないらしかった。
代わりにさっきからひっきりなしにやれ受験だ、志望校だと、どこぞの予備校講師のようにまくしたてていた。三年生を受け持ったのは初めてだから張り切っているのだろう。
でも、そんな先生の気合いは空回りするばかりで。
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