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「………え?」
真由ちゃんは、彼の名前を知らないのだろうか。そう思い、今度はツイッターで拾った写真をラインで送る。真由ちゃんがかっこいいって言ってた人じゃん、と一言添えて。
携帯が震えて、画面を見る。嫌な汗が、私の背中を伝った気がした。
「私がかっこいいって言ったのそっちじゃなくて、山本くんだよ」
「なんで仲良いのか知らないけど、いつも一緒にいるよね」
やばい。失敗した。慌てて席を立ったけれど、時すでに遅し。入口に、一人の男の子が立っていた。それはいつもタイムラインで眺めている顔をした男の子だった。
「う、嬉しいな…俺、本当はずっと君のこと可愛いと思ってて……」
もごもごと聞き取りづらい声でそう呟いたのは、いつも、イケメンの隣に写っている、私が生理的に受け付けない顔をしている男の子。
「初めまして!私、倉田麻衣っていいます。広末先生の話出来るの嬉しすぎます~!いま、S-201にいるので良かったら話しませんか?私も前同じことしてあなたのことツイッターで見つけて、仲良くなりたいなって思ってたんです」
あぁ、あんなこと送るんじゃなかった。前言撤回、SNSなんてクソ喰らえだわ。
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