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「最近食べてないなぁ」
あまり親と祭りに行った記憶もない。
「一本、四百円っ!高っ!」
四百円も出してまで、食べたい食べ物でもなかった。
「大島、半分こな」
「え」
小林くんはズボンから小銭を出して
一本購入し、
「先、食うぞ」
と、一気に食べ始めた。
香ばしい匂いを漂わせ、それにかぶりつく小林くんは、
………犬みたいだと思った。
「はい」
「はやっ」
渡されたとうもろこしは、綺麗に半分残されていた。
「……いただきます」
とうもろこし食べるのに
こんなに緊張したのは、生まれて初めて。
「あ、おまえ、一列だけのこすなよ!真ん中」
白くなったトウモロコシ…
黄色い細いベルトをしてるみたいだった。
「そろそろ移動しなきゃな」
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