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私は生まれて15年、
この町にずっと住んでいるけど、
こんな場所があるなんて知らなかったし、
こんな見た目も性格も派手な人たちが
花火を静かに見る不思議な空間も
近くにあるのに、
知らなかった。
「俺と直也と崎谷は小学校んときから仲良かったんだ。
直也には五つ年上の兄ちゃんもいて、中学になった時にこの場所教えてもらった。」
「へぇ……」
小林くんの話を聞いて、更に悪そうなヤクザみたいな直也の兄ちゃんをイメージしていた。
「最後の花火の連打見たら、帰るぞ」
黒い長めの髪を、後ろだけ束ねて
いつも、鋭い目つきで学校に現れる直也……
今は穏やかな顔して夜空を見上げる。
「あの、小児ガンって完治したの?」
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