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今で言うなら、KYな発言をした私。
来るときに聞いた、直也の留年の話を思い出したからだ。
「………んなわけねぇだろ?」
由美と腕を組んでいた直也が笑い出した。
「え」
「そんな感動小説の主人公みたいな奴が、今こんなん悪さするか?」
直也と崎谷と由美は、
おかしさのあまり、震えていた。
「嘘?」
アハハハと笑うヤンキーども。
くっそー!
と思っていると、
「来るぞ来るぞ、フィニッシュの連打!!」
小林くんが、キラキラした目で空を見上げる。
ドドドドドドドドドドドドドン!!!
と
小さな町の空に、
世界が爆発したかのような大きな花火が、
いくつも
いくつも
広がって、
高台にいる私たちの目の前に広がるそれは、
今にも手に届きそうだった。
みんなの顔が
光でキラキラしていた。
私は、横に立っていた小林くんの端正な横顔が黄色くなったり、青色になったりするのを、
時々、チラ見してドキドキしていた。
私たちは15歳…____
もう15歳______
これから、こんな花火を
何回観ることができるだろう?
![image=488747045.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/488747045.jpg?width=800&format=jpg)
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