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花火が打ち終わると、余韻が残るのか、みんな静かだった。
クラブ帰り風の前田さんは、長いワンレンヘアをかきあげながら、
「眠くなった、帰ろ」
とあくびをする。
気付けば、夜の十時半。
____……ヤバい ……
絶対、親、心配してる。
「うん、帰ろ帰ろ」
と彼女に同意して私が急いで 車に乗り込もうとした時、
「オッ!流れ星!」
また、小林くんが空を指差した。
「は?少女マンガか?」
崎谷がバカにしたように同じく見上げると、
「で、でかくね?」
テレビや映画で観るような、キラキラ光りながら流れ落ちる物とは、
ちょっと違う。
「ゆ、UFOじゃねっ?!」
さっきまでな和やかな空気が、私の中で、
恐怖さえ入り混じった、スリル感に変わった。
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