小林くんの恋、亜子の恋

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休み時間、トイレで 由美とバッタリ会う。 「びっくりしたね、あのハーフの子」 手を洗ってから、由美はポニーテールの後れ毛をピンで留め直していた。 じつは、由美は小学校低学年の時に同じクラスになったことがあり、 今でこそ直也達と連んではいるけれど、 私の中では、それ自体に違和感があるほど 真面目で大人しい印象のクラスメートだった。 「由美のクラスなら良かったのに…………―」 自分を名前でいうところは変わってはいない。 「直也くんは、休みなんだね」 ラブラブな2人。 登下校はいつも一緒だ。 「そ、前田も休みだし、早馬は帰ったし、今日はつまんない学校だよ」 「……由美ちゃんは、いつから直也君たちと仲良くなったの?」 中学に入り、一年生の終わり頃から、見た目も生活も変わってしまった彼女。 前から気になっていた。
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