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「杏ちゃんと小林くんは…‥」
多分、杏を気に入ったのは小林くんだけではない。
この崎谷だって同じはず…__
「チュ……」
ボフッ!!
" チューしてた "
と言おうとした私の頭を、
教室から出てきた小林くんが、体操服袋で軽く叩いてきた。
「チュッチュッチュッうるせーよ!」
「結構痛かったんだけど………髪型くずれてるし」
この頃はポンパドールが流行りだした頃で
わたしは、たまに体育の授業の時なんかはそれを作っていた。
「髪型なんか、気にすんな、その前に色気、祐紀さんにつけてもらえよ」
「…‥………」
" 色気 " ?………前田さんみたいな?
私が返しに困っていると、
ちょうど二時間目始業のチャイムが鳴り響いて、
それ以上に、
「祐紀さんにヤってもらったら、
大島も変わるんじゃねぇの?」
今までで、
一番 凹む言葉を、
小林くんは、私の頭の中にエコーも含めて、
リピートさせた。
…………小林くんは、
ほんとに、
私なんかどうでも、いいんだね……………
「大島!!」
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