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「平沼っ!」
学活が終わり、職員室に戻ろうとした奴を、
直也が待っていたと言わんばかりに掴みかかる。
「珍しく朝からいるんだな?
大人しく教室で授業の準備をしなさい」
平沼は、直也の手を振りほどいて
更に俺に冷たい目線を送る。
「小林、崎谷
お前たちも、まともな生活に正さんと
こいつみたいに留年だぞ」
「はっ?」
平沼の、こういうところが大嫌いだ。
「まともじゃねー大人が偉そうにぬかしてんなよ!」
直也がキレる寸前だった。
「直也」
由美と、
杏が心配そうにこっちを見つめていた。
「お前はくんなって言ったろ?」
そうだ、
なんで杏まで連れてくるんだ?
「由美、校長に訴えてやるよ。」
平沼に標準丈スカートを渡されたはずなのに、いつもと変わらない短いスカートの由美は、
平沼と
目を合わせることができないようだ。
「なにを、訴えるって?」
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