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「ちょっ??パトカー来てるよ!」
「はっ?マジでっ?」
先生が来ずに、
一時間目がなかなか始まらないと思ったら
校門から一台のパトカーが入ってきて、
校舎の前でサイレンの音を止めた。
みんな教室から飛び出してパトカーの方へ駆け寄っている。
…………まさか……
嫌な予感がして、私もそちらへ向かって走り出した。
「直也たちだってよ!」
「お前ら、教室に入らんか!!」
職員室の前で
平沼先生が警察に話を聞かれていて、
小林くんたちが、
もう一人の刑事らしき男に背中を押されて、パトカーに乗り込んでいた。
「亜子!早馬が暴力を………」
杏の涙目が
今は妙に不安を煽って 見たくないと思ってしまう。
「由美のせいだ……」
由美は、何かを警察に訴えようとしても
「関係ない生徒は、教室に戻って!」
野次馬同様の扱いを受けて押しやられていた。
「小林くん!」
パトカーの後部座席に乗った彼らは、
不満そうな顔をしていた。
「小林くん………」
平沼先生が別の車に警察官と乗り込むと
パトカーは勢いよく
再びサイレンを鳴らして校庭を駆け抜けて行った。
「亜子ちゃん、小林くんたち、
高校進学、さらに遠のいちゃったね………」
一希ちゃんが、私の肩を揺さぶるまで
そのパトカーが見えなくなった場所から動けなくなった私。
杏も同じらしかった。
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