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「お前を大事に思ってるよ」
由美の不安を悟ったかのように、
祐紀さんは 直也の気持ちを代弁する。
「あいつは、めったに喧嘩なんかしないんだ。
エロ教師が何か、また触ってきたら俺に言え。
俺がしばいてやるから。」
………"エロ教師"
ずっと
尊敬もしていた先生がそう呼ばれると、
なんだか
虚しいものが生まれてくる。
「小林くんの両親は共働きなのかな?」
おじいちゃん、
まだ若かったけど 一緒に住んでるのかな?
「亜子ちゃんは知らなかったか………
早馬んとこは両親不仲で
あいつ、小さいときから爺ちゃんちに預けられてるんだよ」
祐紀さんは、車のキーを指に引っ掛けたりしながら、
TAG HEUERの腕時計を気にしていた。
「まだかかりそうだから、2人送ってくよ」
祐紀さんは、
みんなのお父さんみたいだ………
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