心……-2

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「よっ!前科者!」 翌日、普通に登校してきた小林くんたちを、ヤンキー仲間は嬉しそうに出迎えていた。 「前科者じゃねぇし」 平沼が、被害届を出すことはしなかったから、それは免れた。 本人の意志か、学校側の配慮から分からない。 教室に入って、 たまたま近くで、一希ちゃんたちと話をしていた私の制服を引っ張ってきた。 「なによ?前科者」 「お前まで言うか? あれ………ほら、 杏は?」 「あ」 小林くんは、知らないんだ。 杏が救急車に運ばれたこと。 「おれ、平沼殴ろうとして杏をどついちゃったからさ……」 「……………」 私の顔見て、 まず それなんだね……… 「また、倒れて病院に運ばれたよ」 「はっ!?なんで?貧血?」 「…………ごめん、あとは分からないんだ」 わたし、 小林くんのことしか、頭になかったから……… 「……んだよ、おまえ? 警察署なんか来る前にまず、病院に行けよ! 友達じゃねーのかよ?」 「……………」 " ………友達" 「ちょっと、探りいれてこよ」 小林くんは、かなり伸びてしまった金髪を、いつものように立てたりしてなくて 洗ったばかりなのか、 そんな爽やかな香りを残して……… わたしの 寂しい気持ちも残して、 教室を出ていってしまった。
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