心……-2

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「杏って、いつまで入院すんの?」 ヤンキーで目立つ由美と崎谷と小林くんと前田さん、 そして、ひとり、地味な私で、病院まで歩いていく。 「かったりぃな、原チャリ乗っていきてー」 小林くんは、長めの金髪を邪魔そうに触りながら シャツをパタパタさせていた。 「原チャリ、盗んだの?」 私達は、15歳。 勿論バイクは乗ってはいけません。 「尾崎じゃあるめーし、 あ、久しぶり名曲ききてーな!」 ____この頃は、 丁度、天才シンガーソングライターの尾崎さんが突然亡くなった後で 彼のファンじゃない子たちも 死を惜しむように有名な曲たちを口ずさんでいた。 「尾崎はバイク盗んだことないらしーよ?」 「俺だってねーよ」 病院までの道のり 私も崎谷たちの音痴な " 15のヨル "をニヤニヤ楽しむ。 途中、「そろそろニコチン」 とタバコをくわえだす崎谷とは違い、 小林くんは タバコには見向きもしなくなっていた。 「小林くん、タバコやめたの?」
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