心……-2

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「杏は、どこが悪いんだよ?」 小林くんも、汗の匂いを気にしてか、杏のベッドから少し離れて立っている。 私の目の前にある、 小林くんの首筋に ホクロが並んでるのが見えた。 「お母さんが医者から聞いた話では、 検査の結果は特に悪くないそうです。」 病院の寝巻き姿の杏は いつもより、さらに細く見えた。 「じゃ、なんだろな、 杏ちゃん、集会で熱中症にでもなったんじゃね?」 崎谷は、 可愛い杏の表情に見とれるかのように、視線を外さないまま、 ベッドそばの椅子に1人座りだした。 「レディファースト! で、いつ退院すんの?」 そんな崎谷を押しのけて、前田さんがその椅子に座っている。 いす取りゲームみたい……。 「金曜日には退院しますよ。」 杏はにこやかに笑ったあと、 病室の窓の外をチラリと見た。 「雨が降ります。」
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