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三者面談………
三年生になると二回あるらしいうちの一回目。
「お世話になります。」
パートの仕事を早退してきた母親は、
やや やつれて、
他のお母さんより老けて見えた。
「亜子さんは、第一志望が商業で第二志望がH高校になってますね。
どちらも努力を怠らなければ推薦なしでも大丈夫です。」
扇風機もない夏の教室は、ちょっと緊張もあって更に暑く感じる。
「秋までに第一志望を絞ります」
お母さんは、
結論を出さないまま、先生の差し障りのない話に満足気に
「ありがとうございました」
と一礼して教室を出る。
「つぎ、小林さん」
担任が
廊下で待っていた小林くんと、
彼の若い綺麗なお母さんを呼んで
小林くんがすれ違いざま、私をチラッと見て教室に入っていった。
「なに、あの子
金髪で、髪あんなに奇抜にして」
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