あやとり

12/36
前へ
/36ページ
次へ
お母さんが、小林くんを見て不快な表情を見せる。 わたしは、 そんな老けた母を、小林くんに見られたことの方が恥ずかしかった。 「…………オシャレでやってるんだよ、本人の自由じゃない」 わたしは、そんなお母さんから、少し離れて校舎を出る。 「……まえ、亜子が補導されて、不良と一緒だったって、 まさか、あの子じゃないでしょうね?」 わたしは、 未来は見えていない。 「…………だったら、 何?友達だったら、ダメなの?」 他のクラスの下駄箱が視界に入り、 杏の靴がまだあったのが見えた。 「………友達? あんな不良と?」 わたしは、 「………あんなって、お母さん………一瞬見ただけじゃないの?」 お母さんのような、 つまらない大人には、なりたくない。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加