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二回目のキス…____
フルスモークの窓を閉じても、
誰かに見られているんじゃないかと、
ドキドキヒヤヒヤしながら、
前回より感じる祐紀さんの体温を、
少し怖い、とさえ思う。
「また、手が邪魔なんだけど―………」
祐紀さんは、唇を数センチ離すと、
堤防を作ったつもりの私の右手を
左手でしっかり掴んだ。
「キスから始まる恋もあるかもよ」
祐紀さんは、私の小林くんへの恋心を知っているのに、
余裕ある。…
やっぱり、大人だ。
「……祐紀さんは、
私に何を望んでいるんですか?」
気付かれている事実を知りながら、キスを受け入れる私は、
冷めた子供なのかもしれない。
「望んでいることは、いろいろ」
「………いろいろ?…」
「俺は、亜子ちゃんが16歳になるまで待つよ」
ちゃんと堤防を作っていないと、
祐紀さんの大人という波に
あっという間に飲み込まれてしまいそうだった。
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