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__祐紀さんと、二回もキスしてしまった。
一回目のキスより、身体が密着していた。………
回数を重ねる度に、
未知の世界を覗いていくような、
期待感と不安感……。
自宅に帰り、
家族に見られたわけじゃないのに、
「塾、夏期講習申し込んでおいたわよ。」
「姉ちゃん、なんかホストクラブの匂いするよ」
うしろめたい気がして、
「ホストクラブの匂いって、あんた知らないでしょ?汗かきまくったからシャワー浴びるね」
妹やお母さんの顔をちゃんと見れない。
「えー、お姉ちゃんを待って夕飯まだだったんだよっ?」
「ごめんって」
私の手を排除する祐紀さんの手が、
確かに
私の右胸をとらえた。
「……………」
恥ずかしくて
シャワーを水のまま浴びても
身体が火照ったまま体温が下がらないみたい。
"小林くん………"
小林くんの腕の傷を思い出す。
ちゃんと手当て済んだかな……
今、
どこで何をしてるだろう?
身体を洗いながら、
キスしていない男の子を思い出す。
自分が
大人に近づいていったとしても、
小林くんには嫌われたくない。
自分勝手な欲求が、
夕飯のカレーを不味く感じさせた。
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