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数日後、
「とりあえず、母ちゃんがこっちに来てくれたから転校して、モテ男になるっていう企画は見事に倒れた!」
学校に久しぶりに登校してきた小林くんは、ヤンキー仲間以外からも囲まれて、
みんな、彼を好きなんだと
彼の愛され度合が御披露目となっていた。
「じいちゃんは、まだ入院してんのかよ?」
崎谷の声が聞こえてきた。
「…うん…長くなりそうだ」
いつも明るかった小林くんの声は、
今日はやっぱり、ちょっとだけ暗い。
「あ、大島……」
みんなに囲まれた小林くんを近くで見ることが出来なかった私の席に、
本人が近寄って来てくれた。
「腕、やっぱり、縫ったぞ。ぱっかり開いてたから………
お前の口みたいに」
「うわ、そういうこと言う?私、いつも口開けてませんけど」
「いや、しょっちょう開いてるよ」
「……人をお馬鹿みたいに言わないでよ」
……馬鹿は
正解なんだよね。
唇を、
じっと見られてドキドキした。
祐紀さんの唇に包まれた自分の口元を
小林くんに見られて
心臓破裂しそうなくらい
ドキドキが止まらなかったんだから……
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