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「亜子がいてくれて心強いです。」
夏休みの数学の補習。
トラブルのあったクラスメート女子もいて、
なんとなく行きづらくもあったけど……
「私もだよ、……
平沼先生も、杏の事気にしていたし…」
杏が"行く"と言ったから
クーラーがきく多目的室での、
受験のための勉強に励むことにした。
なんとか、推薦の枠に入りたい。
一希ちゃんは、頭いいから補習は必要ないみたいだった。
「杏ちゃんの後ろがいいなぁ……」
本人にも丸ぎこえの、
杏目的の男子の声が、
他の女子のイラつきを再燃させてしまう。
「やる気のない奴は出ていきなよ」
前に座っていた女子が、杏の後ろや前に座った男子を睨みつけていた。
「おーい、始めるぞ」
沢山の生徒が集まって、
平沼先生は嬉しそうだ。
「お、転校生もいるな」
なにより、
日本人女子とは違う美しさを輝き放つ杏の参加に
普通の" 男 "としてニヤついてる表情が、
他の女子同様、私も嫌悪感を持った。
「平沼先生、あんな人だったっけ?」
ちょっとだけ、
補習参加を後悔した初日になった。
「杏ちゃん」
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