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「こんばんは」
祭り当日、
団地五階に杏が迎えに来てくれた。
「あら、転校生の子ね、
まだ、" こんばんは " には早いわよ」
夕方4時半、
小林くんじゃなく彼女が来てくれて内心助かった。
" あんな不良 "
うちのお母さんも、見た目で判断する小さい大人。
杏の、
お嬢様スタイルのいでたちに、
まるで欲しかったフランス人形でも見つけたかのように
惚れ惚れ見とれていて
何となくイラッてしてしまう。
「亜子、前みたいに12時近くに帰ってきたらダメだからね!」
「わかってるよ」
わたしは、華のない女の子だ。
杏は、女の子が欲しがる容姿を全て兼ね備えていて
羨ましかった。
「早馬たち、下にいます。」
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