螺旋-2

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「こんばんは」 祭り当日、 団地五階に杏が迎えに来てくれた。 「あら、転校生の子ね、 まだ、" こんばんは " には早いわよ」 夕方4時半、 小林くんじゃなく彼女が来てくれて内心助かった。 " あんな不良 " うちのお母さんも、見た目で判断する小さい大人。 杏の、 お嬢様スタイルのいでたちに、 まるで欲しかったフランス人形でも見つけたかのように 惚れ惚れ見とれていて 何となくイラッてしてしまう。 「亜子、前みたいに12時近くに帰ってきたらダメだからね!」 「わかってるよ」 わたしは、華のない女の子だ。 杏は、女の子が欲しがる容姿を全て兼ね備えていて 羨ましかった。 「早馬たち、下にいます。」
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