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下に降りると、
駐輪場があって、そこにバイクに乗った直也と由美がいた。
「行くか!」
小林くんまで原チャリに乗っている。
崎谷くんと前田さんは自転車だった。
「わたし、自転車持ってないけど………」
「大島は、崎谷か前田の荷台に乗れ」
杏は、乗ってはいけない原チャリの小林くんの背中につかまる。
「え…__」
バスとかで行けばいいのに―………
「大島、早く!」
せかされて、わたしは、「は、ハイハイ」
「普通、野郎の後ろに乗るんじゃねーの?あ?大島ぁ!」
前田さんの自転車に乗る。
「崎谷、エロいからイヤだってさ!」
「自転車運転してエロいことなんか出来るか!逆に襲われるわ」
「私、崎谷くんには死んでも触れない」
「2人とも、事故しちまえ」
「先にバイク組行っちゃうからな」
直也と小林くんは、慣れた様子でバイクたちを走らせてしまう。
「くっそ、ヤンキーが」
崎谷が悔しそうに自転車を漕ぐのがおかしくて、ついつい笑っていると、
「大島、来ないかと思ったよ」
前田さんが振り向かずにそう言った。
「……あ、うん、悩んだんだけどね。」
小林くんの恋は見たくない。
でも、
杏も含めて
由美たちだって、
わたしは、キライじゃない。
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