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県の花火大会の中でも、打ち上げ数がダントツ多い、私達の町のお祭りは、
こんなに人がいたんだと思えるくらい、
歩くのがやっとな密集具合になる。
「直也、やっぱりデカいから目立つなぁ、すぐ見つけたよ!」
由美とたこ焼きを並んで買っている姿を見つけた私達は、
そのそばに寄って、
今度は小林くんたちを探し出す。
「早馬たち、はぐれたんだよな」
「あいつなら、どーせ焼もろこしの店にいるさ」
……それは、どうかな?
と、ついこの間の公園の出来事を思い出す。
小林くん、綺麗に食べてたな……。
「トウモロコシ食い過ぎたら、脚気になるらしいよ?」
「かっけ?病気?」
「病院で、たまに膝をカコンって叩かれて検査するアレだよ。」
「崎谷の情報、たまには、まとも」
店の熱気で茹だるような暑さの中、
小林くんと杏の姿を見つける。
「あれ?今日は、焼き鳥かよ」
「…………」
2人は、手を繋いでいた。
私は、何となく由美を避けて前田さんの隣にいたし、
由美も、私をあまり見ない。
早く誤解解けないかな………
「小林っ!直也!」
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