true love

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ずっと、冷房のきいた車内にいるからなのか、 私の上に覆い被さり、抱き締めてくる祐紀さんの体温は、真夏なのに とても 心地良くて 「やっぱり、直也、病気になったんだね」 前、花火の時に″ 留年 ″の理由を、「小児がん」だと 冗談ぽく言っていた直也の言葉を、 何だか眠くなりそうな熱の中で、 ボンヤリ思い出していた。 「いつ、再発してもおかしくないんだよ。 てか、多分あんまり長くない」 祐紀さんの優しさの中に潜む影を また一つ見てしまった。
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