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「姉さんたちは、離婚がほとんど決まりそうだよ。
……なのに、何で亜子はこの病院に平然と居座れるの?
まだ、義兄さんと続いてるの?」
私の肩を掴む、その一希ちゃんの手からは
まるで温かみが感じられない。
「………………」
罪悪感が押し寄せて、言葉にならず
私は、ひたすら首を横に振るしかなかった。
「…………姉さんが不倫相手を訴えたら、先生は守ってくれるの?」
「………………私は、もう……」
不倫から発生する慰謝料…………
終わった今でも、その覚悟はできている。
「関係ないなんて言わせないから」
私の肩を放した一希ちゃんは、
時計を見て、そして、慌てて入院病棟へ歩いていった。
夜間の静かな病棟に、そのヒールの音は、
冷たく
いつまでも尾を引いて響いていく……。
___こんな繋がりがあったなんて…………
過去の自分が、
軽はずみで残念で仕方ない。
「なんだ?食欲ねーの?」
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