friend

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「祐紀さんとは、結婚しないの?」 前田さんが、そう聞いてきたのは わたしの胸に、あのリングが復活したからだ。 「うん、そんな話はないよ。」 祐紀さんの抱える保障問題は、 二人の未来に多少なりとも影を落としている。 「そっか……でも、それ、 もう指にはめてあげなよ」 中学生の私にはもったいなくて、指にはできなかったプラチナリング。 「亜子にとっては、やっぱり、白馬の王子は、祐紀さんだったんだね。」 「……………………」 そうなのかな? いまいちピンとは来ないけど、 だけど 今私は とても穏やかで幸せな毎日を過ごしている。 「お、そーいや、俺、二次会で【hanano】って店行ってきたぞ」 崎谷が、 また記憶から消えそうだった、一希ちゃんの話をするまでは、 「……一希ちゃんに会った?」 「おう、接客された」 その幸せは、 ずっと続くと思っていた。 「元気そうだった?」 「んー、なんか、やばかったぞ」 「え?」 幸せな時ほど、 他人の不幸には、 気付きにくいもの____
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