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夕方の回診まで終えて、
シフト引き継ぎが完了し、すぐに私は、帰り支度をする。
家に一人じゃないと、帰る事をつい急いでしまう。
「大島さん、彼氏できたの?仕事ダラダラしなくなったわね」
過去の不倫を知っている婦長は、今の私の恋愛模様を応援してくれているようだった。
「…………じゃ、お先に失礼します」
急患とかなくて良かった、
そう思いながら玄関へ向かうと
ヴィトンづくしの綺麗な女性が、夜間入り口から入ってくるのが見えた。
カツカツと、ピンヒールが自己主張をした歩きをする、派手な女性。
すれ違いざま、
いい香りがする。
見覚えのある横顔____、
「………………一希ちゃん?」
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